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NEWS 054/ グループ展が終了しました。

札幌芸術の森美術館で開催されるグループ展が終了しました。

想定より多くのお客さまの来館があったとの報告があり、嬉しい限りです。


私としても新作を良い環境で発表できたことなど、本当に参加してよかったと思っています。

ご来館くださったお客さま、まことにありがとうございました!

アルバム1枚目のこの写真。もうこれを撮りたくて参加したくらい(笑〜嘘です)。

モデルは学芸員さん。ご協力ありがとうございました。人物入りのが撮りたかったのです。


通称”大三角”の作品(名前はまだない笑)。これもこの場に合わせて作った作品です。以前からアイデアはあったものの、実現のタイミングを計りあぐねていたものです。美術館でやるからには”ミュージアムピース”がいるでしょうってことで頑張りました。でもこれ、ホント大変でした。

プリントはデジタルCタイプ(俗にいうラムダ)なんですが、この幅(およそ1700mm)の印画紙はありません。ならどうしたのかというと、斜めの部分を長辺として斜めにプリントされているのです。おかげでデータ作りでは√2に翻弄されっぱなし。苦労しましたが、最終的なクオリティはもちろん満足できるものに仕上がっています。

額装もこれまた大変。吊りに対応させるため、強度を十分に担保しながらなるべく軽くという相反したオーダーに加え、床置きにも対応できるよう吊り金具を取り外した状態でも美しい仕上げとすることというもうトンデモなオーダーをまたしても実現してくださいました。木工作家さんにはもう頭が上がりません!

現在は木枠に入ってアトリエの隅に鎮座しておられますが、次に展示するチャンスはあるんでしょうか。。。

まぁそんなこと考えても仕方なし。そんなこと考えて作品作ってられっか!ってなものですよ。



あとはやっぱり南部美人!ネオン作品を制作しました!

制作時には私とネオン職人さんのこだわりが炸裂!笑〜

実にいい仕上がりになっています。現在公開していないのが残念ですが

このプロジェクトにはまだ続きがあって、岩手県にある今秋完成予定の南部美人の新たな蔵にて最終完成を迎えます。

こちらは追ってお知らせしますね。


会場にも掲示したテキストをこちらにも掲載します。


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南部美人プロジェクト


2020年1月28日、岩手県二戸市にある古いネオンサインが撤去されるという情報に目が止まった。東北在住の知人がSNSでシェアしたものだ。

1月30日、撤去まで数日かという中、我慢できずに所有会社に連絡を取ってみた。撤去の理由は備え付けられている建物の解体によるもので、会社としても移設や保存の可能性を考えたが断念せざるを得ないと言うことだった。そして、大変残念に思っているということが解った。

そこで、私は提案をした。現物をそのまま残せないのであれば作品として残してはどうかと。その提案はまるで決まっていたかのように快諾され、株式会社南部美人とのコミッションワークが始まった。

2月2日、点灯最終日。二戸駅前で光る「南部美人」のネオンサインを撮影した。会社によると詳しくは分からないが、およそ半世紀は点灯し続けたという。ネオン管の一部は切れ、躯体にはサビが多く歪みも見られる。しかしこの堂々とした「南部美人」の文字が光る様はどうだろう。永年の風雪を乗り越えた実に味わい深い文字から発せられるネオンの光に、私はただただ感無量になった。

筆文字がインパクトを与える図案。これをどのようにネオンサインとするのか。ネオン管の走らせ方を考え、実際にガラス管を曲げてネオン管を作り一つの看板とするのは技術あるネオン職人の仕事に他ならない。

巧みに曲げられたネオン管で構成された「南部美人」は全国でも有数のダイナミックさではないだろうか。数々のネオンサインを見てきた私には分かる。そして、曲線を多用した、というか直線部分がほぼないこの曲げは相当の技量をもつ職人の仕事に違いない。


翌日、「南部美人」は解体された。

しかし、前日の打ち合わせで私が提案したアイデアにより、ネオンサインの一部はネオン管を残したまま会社に保管されることになった。そして、来年には作品として生まれ変わらせる予定である。現在は私と、リニューアルを担当するデザイナー、再点灯を担当するネオン職人や株式会社南部美人との話し合いが進められている。このコミッションワークでは、株式会社南部美人に長く継承され続けている酒造りのクラフトマンシップを伝えていきたいと考えている。この作品は2021年秋を目指してリニューアルされる酒蔵のシンボルとなる。

解体時に撮影した写真は、貴重な資料となった。通常ネオンサインは高い位置などに置かれ詳細が見えにくい場合が多いが、興味深いディテールを存分に残すことができた。これは本展のため制作したネオン作品に生かされている。


近年、少しづつネオンサインが見直されていると感じる。

ディスプレイやサイネージの浸透で、かつてのような大規模なネオンサインが新たに作られる可能性は限りなく低いが、飲食店や服飾雑貨店などで使われる小規模なネオンサインは増えているようだ。一度はCDに駆逐されながらも、アナログな独特の味わいにより商業的にも息を吹き返しつつあるレコードやテープのように、ネオンサインも永く生き残っていくことを願ってやまない。

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会場で流していたスライドショーも掲載します。

南部美人ネオンサインの解体の様子や作品制作の流れなどが見られるものです。




会場の映像も作りましたのでどうぞ。雰囲気がわかりやすいと思います。


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